年末調整でできること

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所得税の年額の計算

年末調整とは、会社から給与をもらっている方について、所得税の年額を計算する作業です。
つまり、給与をもらっている方の確定申告に当たるものになります。

給与からは毎月所得税が差し引かれていますので、1年間に差し引かれた所得税の総額年末調整で計算した年税額とを比較し、
・差し控えれた所得税の金額の方が多ければ還付され
・所得税の年税額の方が多ければさらに徴収されます。

したがって、年末調整をした方のうち、ふるさと納税や医療費控除などを適用しない方は毎年3月15日までに行う確定申告は必要ありません。

 

所得税の年税額の計算方法

所得税の年税額は収入金額から2回控除して課税所得金額(所得税率を掛ける直前の金額)を算出します。

1回目の控除(必要経費や給与所得控除など)

給与をもらっている方が収入金額から1回目に控除するものは給与所得控除です。
(事業をしている方の必要経費に当たります。)

給与所得控除は給与の金額ごとに金額が定められていますので、調整不能です。

2回目の控除(所得控除)

2回目の控除は「所得控除」と言って、その人それぞれの事情を考慮して控除を認めているものです。
年末調整の際、会社に提出する書類はこの所得控除を受けるための書類です。

年末調整で行う所得控除は以下の通りです。

・社会保険料控除・・・給与から差し引かれた社会保険料など

・小規模企業共済等掛金控除・・・ご自身で支払った小規模企業共済掛金、確定拠出年金など

・生命保険料控除・・・生命保険会社などと契約した生命保険料

・地震保険料控除・・・損害保険会社などと契約した地震保険料

・障害者控除・・・障害者手帳を交付されている場合などに適用

・寡婦控除・・・夫と離婚や死別をした方で、合計所得金額が500万円以下

・ひとり親控除・・・事実上婚姻関係のある人がおらず、生計を一にする子がいて、合計所得金額が500万円以下

・勤労学生控除・・・特定の学校の学生、生徒で給与収入が130万円以下

・配偶者控除・・・本人の所得が一定の金額以下で、配偶者の所得が48万円以下

・配偶者特別控除・・・本人の所得が1,000万円以下で、配偶者の所得が133万円以下

・扶養控除・・・生計を一にする16歳以上の親族で、その人の合計所得金額が48万円以下

・基礎控除・・・本人の合計所得金額が2,500万円以下で一定の金額

また、確定申告で適用を受けることができる「所得控除」には、
・雑損控除・・・災害や盗難などにあった場合の損害

・医療費控除・・・その年の医療費が10万円以上、またはその年の合計所得金額の5%のいずれか小さい方を超える場合に適用

・寄付金控除・・・認定を受けている一定の法人への寄付やふるさと納税など
があります。

(ここで言う「所得」とは収入から経費を差し引いた金額を言います。つまり、給与をもらっている方であれば、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。)

年末調整における会社への提出書類

令和4年分の年末調整における提出書類は以下の通りです。

令和5年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
   (令和4年分に移動があった時は昨年提出した扶養控除申告書を訂正する)
令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

令和4年分 給与所得者の保険料控除申告書

会社から通知された期限までに提出するようにしましょう。

 

確定申告をすれば税金が還付される方

年末調整をすれば、基本的に確定申告は要りませんが、次の方は確定申告をすると税金が還付されます。

・年間の医療費が10万円(合計所得金額が200万円以下の方は合計所得金額の5%)を超える方
・ふるさと納税などの寄付をした方
・当年に新築住宅などを購入し居住した方

 

確定申告をしなければならない方

次の方は年末調整をしたかどうかに関らず確定申告をしなければなりません。

・給与の年間収入が2,000万円を超える方
・1か所から給与をもらっている方で、給与以外の収入(退職金を除く)から経費を差し引いた金額が20万円を超える方
・2か所以上から給与をもらっている方
・同族会社の役員の方でその同族会社から貸付金の利子や家賃などの収入のある方