京急神奈川新町駅第一踏切でのトラック衝突脱線事故
令和元年9月5日午前11時40分ごろ、京急本線神奈川新町駅の横浜側すぐの神奈川新町第一踏切で快特とトラックが衝突し、快特の前3両が脱線しました。
怪我された方の一日も早い回復をお祈りするとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
自宅から500メートルしか離れていない場所でこんな大きな事故が起こったのかという驚きと、自宅の前の京急線はいつも電車が通るたびに音がするのですがその音が全くなく、逆にペリコプターのホバリングの音ばかりする非日常性を感じています。
報道によれば、トラック(12t、全長12m)が踏切で右折の際の切り返しを何度もやっている最中に遮断機が下り、快特と衝突したとのこと。
快特は時速120㎞で衝突したとの報道もありますが、もし事実なら8両編成の車両すべてが踏切を通過していると思います。
乗客もブレーキがかかっていたと証言していますし、踏切を4両しか通過していないところを見ると速度はかなり落ちていたのではないでしょうか。
明日になれば踏切のカメラ映像が公表されるのでは、と思いますが、トラックの行動について何点か疑問を感じえずにはいられませんでした。(自分も知らない土地で道に迷ったときはパニックになる質ですが、今はナビがあるので大丈夫です)
トラック京急神奈川新町第一踏切まで京急線沿いの道を進んだ点
トラックは京急神奈川新町第一踏切を横浜方面から京急線沿いを進み、踏切のところが突き当たりですがそこを右折しようとしました。
京急線沿いの道は普通車でもすれ違う時は原則が必要なほど道幅は狭く、笠䅣稲荷神社から神奈川新町第一踏切まではさらに狭く一方通行になります。
この道を12tトラックが通ったのは見たことがありません。
神奈川新町第一踏切から横浜方面(googleストリートビュー)
横浜方面から京急線沿いを進む道は12tトラックであれば、仲木戸駅前の信号を右折したことになります。
この仲木戸駅前の信号を直進した場合にはJRの線路の下をくぐる高さ制限2.8mのトンネルがあります(当然12tトラックは通過できません)。
因みにこの先のトンネルに入る前の高さ制限バーには車高が高い4トントラックなどがよく衝突しています。
このトンネルを通過すると横浜上麻生道路に通じ、西神奈川の交差点から国道1号(第二京浜)に入ることもできます。
仲木戸駅前信号からJR東神奈川駅方面(googleストリートビュー)
この信号にたどり着くには国道15号(第一京浜)を 横浜方面からであれば 川崎方面からであれば神奈川二丁目交差点の信号を 左折 右折しなければなりません。
※9月6日追記
果物を積んだ場所は中央卸売市場ではなく出田町のようです。
国道15号神奈川二丁目交差点から川崎方面(googleストリートビュー)
このトラックは成田市の運送会社のトラックで横浜から成田に向かっていたとのこと。
そこで以下の疑問点が思い浮かびます。
疑問点
- 成田に向かうのであれば、国道15号神奈川二丁目交差点を
直進Uターンすればすぐに首都高東神奈川ランプ入口があるのになぜ左折右折したのか なぜ国道15号から国道1号に行こうとしたのか- 仲木戸駅前信号で直進した時の2.8mの高さ制限に気づいたとすれば、なぜその冷静な判断を京急神奈川新町第一踏切を右折するときに無理だと判断できなかったか
- 京急神奈川新町第一踏切は神奈川新町で降りた客がいたりと、常時何人かは通行人がいるところなのですが、誰か無理だと止めることはできなかったか。
<疑問点1>なぜ首都高に乗らなかったのか
これはそれぞれの事情があり、一概には言えません。
経費節約のためと言われればそれまでです。
※9月6日追記
単に道を間違えた可能性が高くなりました。
<疑問点2>なぜ国道15号から国道1号に行こうとしたのか
これもよくわかりません。
成田に向かうのであれば高速でも下の道でも東京を通過せざるを得ず、国道15号でも国道1号でも両方東京に行けます。
特に国道15号は箱根駅伝のコースにもなっており、15号をそのまま行けば東京を通過し京葉道路などで千葉方面に向かうこともできたはず。
なぜ、あの道に迷い込んでしまったのか謎です。
※9月6日追記
国道15号神奈川二丁目交差点をUターンすべきところを右折してしまっただけのようなので、単に道を間違えただけの可能性が高くなりました。
ただ、単なる道を間違えただけなら、国道15号神奈川二丁目交差点から仲木戸駅の方に入るとすぐ右側に広い道があり、この右側の広い道でUターンして欲しかったです。
この右側の広い道は昔、横浜線の貨物支線で線路があった場所。ここでUターンをしている大型トラックを何度か見たことがあります。
セブンイレブン東神奈川駅前店付近より京急仲木戸駅方向(googleストリートビュー)
<疑問点3>なぜ踏切を右折しようとしたのか
京急神奈川新町第一踏切のところで左折を諦めて右折をした、との報道もあります。
左折すると、京急神奈川検車区の踏切がありその先はまた道が細くなっていますが、左折ならできたのではないでしょうか。
右折して踏切を通過するとすぐ国道15号ですから、早く大きな道に出たかったのかもしれません。
<疑問点4>だれか右折を止めることはできなかったか
これは映像を見なければなんとも言えないと思います。
当時通行人が何人いてとか、駅のホームに京急の職員がいたかどうかなどは情報がありません。
(ちなみに神奈川新町駅は運転区もあるため、快特以外の電車のほとんどは乗務員が後退するためホームに職員がいることが多い駅です。)
神奈川新町駅第一踏切から神奈川新町駅(googleストリートビュー)
無茶なことしてると見えた時点で非常ボタンを押していれば、衝突は避けられたかもしれません。
(タラればを言っても後の祭りですが。。。)
※9月6日追記
どなたかのドライブレコーダーにこのトラックの運転手が京急の職員に話しかけている場面が写っているものがニュースで流れていました。
なぜ、右折は無理だと止めなかったのか悔やまれます。
京急に責任はないと考えます
今回の事故は、亡くなってしまいましたが12tトラックの運転手が無理に右折しようとしたのが原因です。
したがって、京急には責任はないと考えます。
どれか1つでも上記の疑問点を解決できていれば事故は起こらずに済みました。
※9月6日追記
ニュースを見ると論調が変わってきました。 それは
①京急には踏切の非常ボタンを押しても電車を自動で止める装置がない
②運転手が非常ブレーキをかけるタイミングが遅かったのではないか。
などなど、京急にも責任があるのではないかという論調。
だからと言って京急に責任があると思えません。
むしろ電車があのような状況になっているにも関わらず乗客に死者は出ませんでした。
この事故によって、京急の時速120㎞運転を取りやめることだけは避けてほしいと思います。