家賃支援給付金
令和2年7月14日から新型コロナ感染症の影響による売上減少があった場合に、家賃を支援する目的で家賃支援給付金の給付にかかる申請が始まっています。申請期間は令和3年1月15日までです。
家賃支援給付金は持続化給付金に続く、新型コロナ感染症の影響による売上減少があった場合に、その補填をする目的で創設されたものです。
給付額は家賃の支払い額の2/3で、法人の場合最大600万円、個人事業者の場合最大300万円となっています。
家賃支援給付金の給付は1割以下?
先週、家賃支援給付金の申請に対する給付は1割以下である、とのニュースがありました。
売り上げが著しく減少した中小企業などへの「家賃支援給付金」の支給が申請の1割以下にとどまっていることが分かりました。
家賃支援給付金は新型コロナウイルスの影響で収入が減った中小企業などに最大600万円を半年分の家賃として支給するものです。4日から支給が始まりましたが、約32万件の申請に対し、これまでに支給が行われたのは約3万件、270億円にとどまることが分かりました。経済産業省は確認する書類が多いことなどから「持続化給付金の目安である2週間よりも時間がかかる」としてきましたが、実際に申請を受け付けた後に追加の確認が発生する場合が多く、時間がかかっていると説明しています。
(8/20テレビ朝日ニュースより)
持続化給付金の支給は結構スムーズに支給されていたように思いますが、家賃支援給付金はなかなか支給されていないようです。
家賃支援給付金の申請時に気を付けること
家賃支援給付金の支給要件とそれを証明する添付書類は以下の通りです。
法人
支給要件 | 添付書類 |
資本金10億円未満の企業 | 法人税申告書別表一(収受印または受信通知(電子申告の場合)付き) |
5月から12月の売上高について ・1か月で前年同月比50%以上減 ・連続する3か月で前年同期比30%減 | ≪前期の売上≫ 法人事業概況説明書 ≪当期の売上≫ 会計ソフトもしくはエクセルなどで集計した売上データ |
賃貸借契約が存在すること | 賃貸借契約書 |
契約期間に2020年3月31日が含まれること | 賃貸借契約書 ≪賃貸借契約書の契約期間に2020年3月31日が含まれていない場合≫ ・契約更新の覚書等 ・上記覚書等がない場合は、賃貸借契約等証明書(要賃貸人自署) |
賃貸借契約に基づき家賃を支払っていること | 申請直前3か月の賃料の支払いを証明する書類 (通帳の写しなど) |
給付される口座を明らかにすること | 申請者と同名義の通帳の表紙、開いた1ページ目、2ページ目 ≪通帳がない場合≫ インターネットバンキングの画面の写し(銀行名、銀行番号、支店名、支店番号、口座番号、口座名義が表示されているもの) |
不正受給ではないことを誓約すること | 自署した誓約書 |
個人事業者
個人事業者で、賃借している自宅に事業用スペースがある場合には、青色決算書に記載している金額に相当する金額まで家賃支援給付金を申請することができます。
支給要件 | 添付書類 |
フリーランスを含む個人事業者 | 確定申告書第一表(収受印または受信通知(電子申告の場合)付き) |
5月から12月の売上高について ・1か月で前年同月比50%以上減 ・連続する3か月で前年同期比30%減 | ≪前年の売上≫ 青色決算書 ≪当年の売上≫ 会計ソフトもしくはエクセルなどで集計した売上データ |
賃貸借契約が存在すること | 賃貸借契約書 |
契約期間に2020年3月31日が含まれること | 賃貸借契約書 ≪賃貸借契約書の契約期間に2020年3月31日が含まれていない場合≫ ・契約更新の覚書等 ・上記覚書等がない場合は、賃貸借契約等証明書(要賃貸人自署) |
賃貸借契約に基づき家賃を支払っていること | 申請直前3か月の賃料の支払いを証明する書類 (通帳の写しなど) |
給付される口座を明らかにすること | 申請者と同名義の通帳の表紙、開いた1ページ目、2ページ目 ≪通帳がない場合≫ インターネットバンキングの画面の写し(銀行名、銀行番号、支店名、支店番号、口座番号、口座名義が表示されているもの) |
不正受給ではないことを誓約すること | 自署した誓約書 |
注意点
今回の申請に対し給付1割未満というニュースについて、不足している資料は上記の青字の部分の2つではないかと思います。
口座名義を明らかにする書類については、持続化給付金と共通なので持続化給付金を受給された方は問題ありません。
一方で、
家賃支援給付金にあって、持続化給付金にない賃貸借契約書のうち、2020年3月31日が契約期間に含まれていることを証明する書類の不備が多いのではないでしょうか。
契約を更新の都度、覚書を交わしている場合はその覚書を添付すれば問題ありませんが、覚書を交わしていない場合は、家賃支援給付金のホームページ内にある「賃貸借契約等証明書」を賃貸人(大家さん)に自署してもらった上で添付しなければなりません。
面倒ですが、この書類がないと家賃支援給付金は支給されないものと思われます。