出国税とは
各省庁からの平成30年度税制改正要望が出そろったのを機に、yahooニュースなどでも出国税が課税されるのかどうかという話題が上るようになりました。
出国税とは何かというと、日本から出国する人に課す税金のこと。
訪日外国人観光客は勿論のこと、海外旅行やビジネスで海外出張をする日本人も対象としその税額は1,000円とする、との一部報道もあります。
この出国税は航空運賃に上乗せされて徴収されますから、間接税ということになります。
この出国税を言い出したのは観光庁で、その理由は訪日客増加による観光需要に対し、高次元で観光施策を実行するために必要な財源を確保する、とのこと。
去年と一昨年、これに関するビジョン、戦略等が閣議決定されていることに基づき、来年度の税制改正要望の俎上に載ってきました。
国外転出時課税制度との違い
海外に行くときに課税されるものとして、国外転出時課税制度があります。こちらは平成27年度税制改正において、海外に移住する場合、その人が1億円以上の財産を所有していればその資産の含み益に所得税等が課税させる制度です。
こちらはあくまでも課税されるのは所得税等ということですから、そもそもの税目が違います。
また、1億円以上の財産の含み益に対する課税ということになりますが、課税される方はかなりの富裕層であることにもなります。
今回、議論されている出国税は日本を出国する全員です。
国外転出時課税制度は富裕層向けの制度である点と課税対象が出国税は出国することに対する課税であることに対し、国外転出時課税制度は財産の含み益である点に違いがあります。
宿泊税も?
世界的に出国税と同様な税を徴収する国としてはオーストラリアと韓国があるそう。オーストラリアは約5千円、韓国は約千円とのこと。
日本の出国税の税額は千円であることから韓国を模したと思われます。
今回の出国税とは関係ありませんが、今年の1月から大阪市が宿泊税を徴収し始めました。東京は2002年から徴収していますが、京都市も来年10月から始める予定との報道が。。。今後さらに増える見込みだそう。。。
いずれにせよ、観光することに対し課税する方向性がさらに助長される今回の出国税。空港施設利用料と合わせてとなると1000円でも負担感が出てくるかなと思います。このことから観光客減少となればそれこそ本末転倒なわけで、安易な議論にならないことを望みます。
=編集後記=
導入されれば2018年4月1日からとなる可能性が高いです。
ただ、徴収する側の整備がされないと徴収すべきものも徴収できなくなりますので、周到な準備が求められます。