平成29年度税理士試験合格発表

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税理士試験合格発表

本日、平成29年12月15日は税理士試験の合格発表の日でした。

合格された皆様、おめでとうございます。
惜しくも合格できなかった皆様、気持ちを切替え来年の合格のために、今年の試験の反省と今からできることを始めていきましょう。

 

税理士試験は5科目合格すると、名前が官報に掲載されます。5科目の内訳は全員必須の会計科目である簿記論、財務諸表論の2科目と税法のうち法人税か所得税はどちらか必須、残り税法2科目(消費税と酒税、事業税と住民税はそれぞれどちらか1科目)の合計5科目が合格すると、官報に掲載されます。

因みに私は簿記論、財務諸表論と法人税、消費税、相続税に合格しました。

 

官報に掲載されるかもしれない日はドキドキだったのを覚えています。
その日は引っ越しで当時勤務していた事務所を休んで引っ越し作業をしていたのですが、その事務所の先輩が電話をかけてきてくれ合格したのを知りました。

 

官報合格ではなく、科目合格の場合は国税審議会から封書が送られてきます。透かすと合格しているかどうか昔はわかったものですが(過去の合格実績の表示がなくその年に受けた科目が合格かどうかだけの記載だったため「ゴウカク」の文字を封を開けずに見ることができました。4科目目の法人税は透かして合格を確認できました。)、今は中が見えにくくなったと聞きます。

 

税理士試験に合格をし、税理士登録をすると晴れて税理士を名乗れます。
ですが、そこには責任を伴います。
税理士試験合格はゴールではなくスタートです。
まだ合格していない皆さんは合格の喜び、税理士登録した時の重責感を感じるべく試験勉強に頑張って頂きたいと思います。

 

気になること①

国税庁ホームページに発表された税理士試験結果。
あまりにも受験者数が少なくなっていることに驚きました。

 

税理士試験対策講座を開講している専門学校でも最近は受講生が少なくなっていると聞いておりましたが、まさかここまで少なくなっているとは思いませんでした。

 

私が簿記論の講師をしているときの簿記論は申込者数3万人、受験者数25,000人、合格者数3,000人ほどでしたので、受講生には「見た目の合格率は12%ほどだけど簿記論は記念受験が多く、1年まじめに専門学校で勉強する人は1万人もいないから実質3人に1人は受かる。だから頑張れ!」と話していたものです。

 

それが今年の簿記論は申込者数で約17,000人、受験者数約13,000人、合格者約1,800人でした。
全体でも平成14年は延べ85,000人いたのが、今年は45,000人。
15年で半分近くまで受験者数が減少しています。

現在税理士は飽和状態であると言われていますが、このままでいいのでしょうか。

 

気になること②

もう一つ気になることは、財務諸表論の合格率が約30%だったことです。
これは試験と言えるのでしょうか。
最近の税理士試験は昔に比べれば難しいといわれますが、さすがにこの合格率はちょっとかじれば合格するレベルです。

受験者数が減少しているため、今後も税理士試験を受験させる餌なのでしょうか。

税法科目は合格率12%から14%であるため救いですが、今年の財務諸表論をちょっとの勉強で合格した人たちは恐らく税法科目で躓くでしょう。

税理士試験のレベル低下を招かなければいいと思うのは私だけでしょうか。

 

 

=編集後記=

合格し税理士登録してから12年たつと、官報を見ても知っている人が載らなくなりました。
当時一緒に勉強していた人たちで税理士登録していない(大学院修了などは官報に載らない場合があります。)人たちがいまだ勉強を頑張っているといいなあと昔を懐かしく思いました。