ホテルで部屋に無料で配布される新聞
軽減税率の適用対象となる「新聞」とは、定期購読契約が締結された週2回以上発行される、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載するものを言います。
これにはスポーツ新聞や業界紙、日本語以外の新聞等も該当するものとされています。
今回のQ&Aでは、ホテルが従業員用、ロビー用、宿泊客の客室への無料配布用として新聞を購入するものが軽減税率の対象かどうかについて追加されました。
取り扱い
固定部数部分・・・8%
追加部数部分・・・10%
理由
「定期購読契約」の「購読」には事業者が事業のために使用するものも含まれます。
したがって、ホテルでの従業員用、ロビー用、宿泊客の客室への無料配布用もホテルでの事業に使用することになるため、ホテルが「購読」するために購入したものとして取り扱われ、定期購読の部分に限り8%の税率が適用されます。
ただし、客室に配布するもののうち宿泊客数に応じ、追加で購入するものについては「定期に購読」するものとは言えないため、10%の税率が適用されます。
また、ホテルの売店で販売する新聞は、コンビニや駅売店での新聞の販売と同様に10%の税率が適用されます。
紙の新聞と電子版のセット販売
新聞の定期購読は8%の税率が適用されますが、インターネットを通じて配信する電子版の新聞は、新聞の販売には該当せず、インターネット回線を介してサービスとして行われる「電気通信利用役務の提供」に該当するため10%の税率が適用されます。
今回、紙の新聞と電子版のセット販売の取り扱いが追加されました。
取り扱い
紙の新聞・・・8%
電子版・・・10%
理由
紙の新聞と電子版のセット販売をする場合は、一体資産には該当しません。
一体資産は食品と食品以外のものをセット販売するものに適用されるものであるため、今回の紙の新聞と電子版のセット販売には適用されません。
したがって、紙の新聞と電子版の新聞をセット販売している場合には、セット販売の対価の額を軽減税率の適用対象となる「紙の新聞」の金額と、軽減税率の適用対象とならない「電子版の新聞」の金額とに区分した上で、それぞれの税率が適用されることとなります。
ちなみに
「紙の新聞」は新聞販売店、「電子版の新聞」は新聞本社が提供する契約となっている場合、それぞれ異なる取引として個別に課税されることになるため、対価の額は区分され、適用税率も取引ごとに判定します。