〜1人で会社設立に挑戦(その1)のつづき〜
定款と申請書類の作成
組織は合同会社にし、商号が決定しました。
あとは登記書類を作成し、法務局に申請すると法人が設立できます。
登記申請書類や定款は法務省のホームページに見本が揃えてあり、自分の法人にカスタマイズするだけです。
定款の目的(法人の業務内容)については、自分がやろうとしているものは全て記載するようにしました。
電子定款に挑戦
定款については、電子定款にすると印紙税4万円はかかりません。紙で作成して署名捺印をし保存する場合は第6号文書として4万円の印紙を定款に貼付しなければなりません。
そこで電子定款にしようと思うわけです。
電子定款とは定款のPDFファイルに電子署名してあるものを言います。
私は税理士なので、カードリーダーと日本税理士会発行の電子証明書が手元にありますから簡単に電子署名できると思っていました。
しかし、PDFは法務省指定のAdobe Acrobat(有料)やSkyPDF(有料)などで作成したものに限られます。
私はAdobe Acrobatの無料体験版でやろうと思ったのですが、既に他の作業で使っていたため体験版は使うことができませんでした。
そこで、「定款 電子署名」で検索するとやり方等説明しているものが出てきますが、一つ気になるものを見つけました。
土地家屋調査士の方のBlogに「Adobe Acrobat Reader(無料)で定款に電子署名できる」と書いており、これにひとまず挑戦してみることにしたのです。
確かにAdobe Acrobat Readerでも電子署名のツールがあり、税務申告書に電子署名するのとほぼ同じ方法で署名すると「電子署名者:誰それ 日付:何年何月何日何時何分」と下記のように電子署名ができます。
「電子署名の検証」をしてみても「電子署名がしてある」と出てくるので、これを法務局に持っていきましたが、やはりReaderで作成したものには署名がないと言われてしまいました。
法務局では電子署名があるかないかだけしか確認できないそうなので、署名がないとなった場合に何がダメなのかは分からないそうです。
(Readerで作成していますので、電子署名がないと言われて当たり前と言えば当たり前ですが。)
結局、自分で電子署名するのはあきらめ、知り合いの司法書士の先生に電子署名はお願いしました。
(上の電子署名とは全く別の電子署名でした。)
資本金の預け入れ
定款を作成すると、登記申請までに資本金の預け入れをしなければいけません。
当たり前ですが法人口座はまだありませんから、個人の口座にその資本金額が入金されていればよく、その金額を預け入れて通帳のコピーを用意します。
これで法務局へ登記の申請をし、2週間弱で登記が完了し、真新しい会社の謄本が手元に届きました。
自分の名前が記載されている謄本を見ると「税理士として」とは何かが違う、何とも言い表すことが難しいそれとは別の社会的責任を感じずにはいられませんでした。
=編集後記=
法務局で受け入れてもらえる電子定款はAdobe Acrobatの無料体験版であれば簡単にできるようです。
土地家屋調査士の方が書いた「Adobe Acrobat Readerで電子署名できる」はよくよく見ると、「電子署名されているかどうかは法務局で確認してください。」と書いてありました。
土地家屋調査士の方であればできたのかな?