大法人の電子申告義務化
財務省ホームページに「「行政手続きコスト」削減のための基本計画」が発表され、それに伴って国税庁のホームページに「大法人の電子申告義務化について」という情報が発表されました。
「大法人の電子申告義務化について」は、平成30年度税制改正大綱に掲載され、こちらで紹介させていただいたところです。
前回掲載していませんが、消費税申告書についても電子申告義務の対象となります。ここからは国税庁ホームページに掲載されたもののうち、大綱には掲載されていない部分を記します。
適用開始届出
電子申告の義務化の対象となる法人(以下「義務化対象法人」といいます。)は、以下のとおり納税地の所轄税務署長に対し、電子申告義務化適用届出書(仮)を提出することが必要です。
(1) 平成32年3月31日以前に設立された法人で平成32年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合
・・・当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内
(2) 平成32年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合
イ 増資により義務化対象法人となる場合
・・・資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内
ロ 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合
・・・設立の日から2か月以内
(3) 平成32年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合
・・・課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内
適用日
2020年4月1日以後に開始する事業年度から
イメージデータ(PDF形式)で送信された添付書類の紙原本の保存不要化
第三者作成の添付書類をイメージデータ(PDF形式)で送信した場合、今までは原則5年間紙原本での保存が必要でしたが平成30年4月からPDFファイルで保存したデータが以下の要件を満たせば、紙原本での保存が不要となります。
≪要件≫
・解像度が200dpi相当以上であること
・赤色、緑色及び青色の階調が256階調以上(24ビットカラー)であること
勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化
勘定科目内訳明細書について、件数基準が創設され、記載単位も見直されることとなりました。
例えば、
売掛金や買掛金の内訳明細書の場合、今までは
①期末残高が50万円以上をすべて記載
②相手先単位での名称と所在地を記載となっていましたが、
平成31年4月以後終了事業年度の申告からは
①期末残高が50万円以上 or 上位100件の記載
②相手先単位での記載 or 支店、事業所別の記載
というように選択が可能となります。
また、
「貸付金及び受取利息の内訳書」の「貸付理由」欄と「借入金及び支払利子の内訳書」の「借入理由」欄が削除されます。
「雑益、雑損失等の内訳書」に記載していた「固定資産売却損益」の記載が不要となります。
「仮払金(前渡金)の内訳書」、「仮受金(前受金、預り金)の内訳書」の「取引の内容」欄を「摘要」欄に変更し、自由記載となります。
=編集後記=
現行、大法人が義務化されていますが、数年後には中小企業も義務化されるものと思われます。