新型コロナ感染症の経済対策としてのGoToトラベルキャンペーン
令和2年は今まで経験したことのない、疫病に悩まされる年となっています。
歴史の教科書でしかこのような感染症が蔓延するのを見たことがなかったのですが、今年は実際に、しかも全世界で影響を受けることとなりました。
そこで、政府は8月よりGoToトラベルキャンペーンを始め、当初は東京都が除外されましたが、10月より東京都も加わり11月は多くの方が旅行を楽しんでいるようです。
このGoToトラベルキャンペーンですが、旅行代理店などから申し込むと旅行代金の35%相当が値引きされ、15%相当の地域クーポン券が配られます。
一方で、GoToトラベルキャンペーンについては、直接交通費や宿泊代などをJRや航空会社、ホテル等に支払った場合、事後申請により給付金を受けることができます。
この給付金の取り扱いを含め、新型コロナ感染症対策の給付金を受けた場合の取り扱いが国税庁ホームページに発表されました。
新型コロナ感染症対策により支給される給付金で所得税が課税されるもの
新型コロナ感染症対策により支給される給付金で所得税が課税されるものは以下の通りです。
事業所得等に区分されるもの
•持続化給付金(事業所得者向け)
•家賃支援給付金
•農林漁業者への経営継続補助金
•文化芸術・スポーツ活動の継続支援
•東京都の感染拡大防止協力金
•雇用調整助成金
•小学校休業等対応助成金
•小学校休業等対応支援金
一時所得に区分されるもの
•持続化給付金(給与所得者向け)
•Go Toキャンペーン事業における給付金
雑所得に区分されるもの
•持続化給付金(雑所得者向け)
GoToトラベルキャンペーンによる給付金は課税される!
GoToトラベルキャンペーンによる給付金については、一時所得として課税されます。
一時所得の計算方法は、総合譲渡所得(事業に使用していた車両の売却等)がないものと仮定すると、
(一時所得の収入金額-収入を得るための費用-50万円)×1/2=一時所得の所得金額
となります。
しかし、1回の旅行での給付金は長期間の旅行や高級ホテルのスイートルーム等を利用したりすることをしない限り、5万円程度であることから、回数を重ねない限り、一時所得の50万円控除の範囲内で収まるものと思われます。
課税されなくても確定申告する場合は一時所得として確定申告書に記載することをオススメします。
<参考>新型コロナ感染症対策以外の給付金で所得税が課税されるもの
事業所得等に区分されるもの
•肉用牛肥育経営安定特別対策事業による補てん金
一時所得に区分されるもの
•すまい給付金
•地域振興券
雑所得に区分されるもの
•企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における割引券(通常時のもの)
•東京都のベビーシッター利用支援事業における助成(通常時のもの)
新型コロナ感染症対策により支給される給付金で所得税が課税されないもの
新型コロナ感染症対策により支給される給付金で所得税が非課税されるものは以下の通りです。
支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの
•新型コロナウイルス感染症対応休業支援金(雇用保険臨時特例法7条)
•新型コロナウイルス感染症対応休業給付金(雇用保険臨時特例法7条)
新型コロナ税特法が非課税の根拠となるもの
•特別定額給付金 (新型コロナ税特法4条1号)
•子育て世帯への臨時特別給付金 (新型コロナ税特法4条2号)
所得税法が非課税の根拠となるもの
•学生支援緊急給付金
•低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
•新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
•企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
•東京都のベビーシッター利用支援事業における助成
<参考>新型コロナ感染症対策以外の給付金で所得税が課税されるもの
支給の根拠となる法律が非課税の根拠となるもの
•雇用保険の失業等給付(雇用保険法12条)
•生活保護の保護金品(生活保護法57条)
•児童(扶養)手当(児童手当法16条、児童扶養手当法25条)
•被災者生活再建支援金(被災者生活再建支援法21条)
租税特別措置法が非課税の根拠となるもの
•簡素な給付措置(臨時福祉給付金)(措置法41条の81項1号)
•子育て世帯臨時特例給付金(措置法41条の81項2号)
•年金生活者等支援臨時福祉給付金(措置法41条の81項3号)
所得税法が非課税の根拠となるもの
•学資として支給される金品(所得税法9条1項15号)
•東京都認証保育所の保育料助成金(所得税法9条1項15号)