国外扶養親族を扶養控除の対象とする場合

所得に関するもの

国外扶養親族を扶養親族とする場合の手続き

外国の方などが年末調整の際、本国に住んでいる国外居住親族を扶養親族や配偶者控除などの人的控除の対象として申告されることがよくあります。

国外居住親族を扶養控除等の対象とする場合はルールがあります。

給与所得者にかかる年末調整の際、国外居住親族について扶養控除や配偶者控除などの人的控除を受ける場合は、その国外に住んでいる親族の親族関係書類送金関係書類を会社に提出または提示する必要があります。

自営業者などが行う確定申告において、同様に国外に住んでいる親族を扶養控除や配偶者控除の対象とする場合は、その国外に住んでいる親族の「親族関係書類」「送金関係書類」を確定申告書に添付して提出することとなっています。

こどもが外国に留学している場合なども、この手続きが必要になります。

また、会社が従業員から「親族関係書類」「送金関係書類」の提出を受けた場合は7年間保存をしなければなりません。

親族関係書類の提出

「親族関係書類」とは次の①又②いずれかで 国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます。 
戸籍の附票の写しその他国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し 
外国政府又は外国の地方公共団体(以下「外国政府等」といいます。)が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び所又は記載があるもに限ります。) 

②の外国政府等がはっこうした書類は具体的に、
「戸籍謄本」や「出生証明書」、「婚姻証明書」などが該当します。

1つの書類ですべてを証明できない場合は、下記のとおり複数の書類を組み合わせて提出する必要があります。

(国税庁ホームページより)

これらの書類は、パスポートの写しを除きすべて原本を提出します。

送金関係書類の提出

「送金関係書類」とは、次の書類で居住者がその年において国外居住親族の生活費又教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかするものをいいます。

具体的には
①外国送金依頼書の控え
②クレジットカードの利用明細書
が該当します。

ここでいうクレジットカードの利用明細書は、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードの利用代金を日本国内に住んでいる居住者が支払う場合の明細書です。

国外居住親族が複数いる場合は、各人ごとにこれらの書類が必要となります。

例えば、配偶者と子供が国外居住親族に該当し、送金している事実があるときに、配偶者のみにまとめて送金している場合には、配偶者のみへの送金関係書類となり、こどもへの送金関係書類は別途必要となりますので、注意が必要です。

扶養控除申告書等への記載方法

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の配偶者控除等申告書」には、国外居住親族に係る事項を記載する必要があります。

具体的には「非居住者である親族」欄には、源泉控除対象配偶者又は控除対象扶養親族が国外居住親族に該当する場合に「○」を記載し、「生計を一にする事実」欄には、その年に国外居住親族へ送金等をした金額の合計額を記載します。

 

=編集後記=

相続税の申告の話ですが、外国人の方が相続人となる親族の方を増加させるために何百人もの人を養子にしたという都市伝説みたいな話があります。