社会保険料控除あれこれ

所得に関するもの

年末調整

これから年末調整の時期。
平成30年分の扶養控除申告書と平成29年分の保険料控除申告書を企業等に提出された方も多いかと思います。

 

年末調整は給与所得者の確定申告の意味合いがありますから、給与所得だけの場合の所得税を算出するわけですが、社会保険料控除についてはモレが多いので注意点としておさらいします。

社会保険料控除あれこれ

社会保険料控除は、給与から差し引かれた健康保険料、厚生年金、雇用保険料のほか自分で支払った国民健康保険料、国民年金や小規模企業共済等掛金を控除することができます。

 

生計を一にする家族の分の国民年金保険料過去3年分を一括で支払った場合

基本的に社会保険料控除の対象は支払いベースでの金額になります。

従って平成29年に支払ったものであれば、過去3年分であっても平成29年分の社会保険料控除の対象となります。

 

 

平成29年分と平成30年分との2年分の国民健康保険料を支払った場合

基本的に社会保険料控除の対象は支払いベースでの金額となります。

平成30年までの分であったとしても、平成29年に支払ったものであれば平成29年分の社会保険料控除の対象となります。

なお、各年分の保険料に相当する分をその年分の社会保険料控除の対象とする方法も選択できます。

 

生計が別の子(別居)の国民年金を支払った場合

家族の社会保険料を負担した場合の社会保険料控除の対象になる場合とは生計が一(お財布が一緒)かどうかで判断します。

生計が一であれば別居していても支払った国民年金は社会保険料控除の対象となりますが、生計が別の場合は社会保険料控除の対象とはなりません。

 

 

配偶者の年金から差し引かれた介護保険料

社会保険料控除の対象となるものは生計が一のご家族の分のうち、年末調整(確定申告)をする本人が負担した者に限られます。

介護年金などの社会保険料が配偶者の年金から特別徴収されているものについては、その配偶者が負担していることが明らかですので、本人が負担したとは認められませんから本人の年末調整(確定申告)での社会保険料控除の対象とはなりません。

生計一のご家族が確定申告する場合の社会保険料控除の対象になります。

 

 

親の後期高齢者医療保険の保険料を支払った場合

後期高齢者医療保険の保険料については、被保険者(親)の年金から差し引かれる場合と申し出による口座振替の場合とがあります。

年金から差し引かれる場合は、被保険者(親)が負担したものとなりますので、年末調整(確定申告)をする本人が負担したとは認められませんから本人の社会保険料控除の対象とはなりません。
被保険者(親)が確定申告する場合の社会保険料控除の対象となります。

 

一方で、口座振替の場合にその振替する口座を年末調整(確定申告)する本人の口座にしていた場合は生計を一にしている条件のもと、年末調整(確定申告)する本人の社会保険料控除の対象となります。

 

 

 

 

=編集後記=

親の後期高齢者医療保険を子供が負担したから、その子どもの社会保険料控除の対象としている場合で、その親を扶養親族として申告したときは、親の年金の額に注意が必要です。

年金の額によりますが、70歳以上の場合158万円以上の年金をもらっている場合は扶養親族にはなりません。