確定申告書等作成コーナー
平成29年度の確定申告書の提出期間が2月16日より始まりました。
還付申告の場合はそれよりも前から申告することが可能ですが、個人事業者が申告する場合などは、通常の16日からとなります。そのせいなのか、16日から国税庁ホームページ上に公開されている「確定申告書等作成コーナー」の動きが遅くなったような気がします。動きが遅いからと言ってクリックばかりすると逆にフリーズしてしまいますので、ご注意ください。
この「確定申告書等作成コーナー」は、数年前まではすごく使いにくいしれものでしたが、最近は一般の人でも一人で確定申告書が作成できるように著しく改善され、使い勝手が良くなりました。それでもまだ注意する点がありますので、ご紹介します。(というか、「確定申告書等作成コーナー」が税法に忠実なので税法通りにやるしかないところがあり融通が効かないと思うところです。)
医療費控除入力の注意点
今年度から医療費控除はセルフメディケーション税制との選択になりましたので、確定申告する際もどちらを選択したかが分かるように、明細書が医療費控除用とセルフメディケーション税制用とに分かれました。
そのため、医療費控除を選択した場合の提出方法も変更され、領収書の添付は不要となり明細書への記載だけで済むこととなっています。その明細書の記載ですが、今年からは個人ごとかつ医療機関ごとにまとめて記載することとなり、今までの領収書ごとに記載する方法からと比べると簡便化されました。
保険金等で補填される場合
支払った医療費に対し、保険や高額療養費などで補填される場合、医療費控除の申告方法として補填された保険金や高額療養費は支払った医療費から除くこととされています。
ただし、除く対象となるものはその対象の治療にかかったものだけとなっており、年間の医療費の総額から差し引くわけではありません。しかも、その補填された保険金等が支払った医療費よりも多い場合は、補填された保険金に記載(入力)する金額は支払った金額まででよく、残りの金額は所得税法上非課税となるため特段何もしなくてもよいこととなります。
正直、過去には領収書と補填された金額のみ開示されたお客様の申告では、その補填された金額の対象となる治療が分からない時もあったので、補填された金額のみ明細の1行使って全額支払った医療費から除いていたこともありました。(そのような対応をしてしまったお客様、大変申し訳ございませんでした。)
「確定申告書等作成コーナー」での医療費控除の入力の際はその対象となる医療機関の支払金額から補填された保険金や高額療養費を差し引くことになるため、上記のような年間でトータルの金額から差し引く入力の仕方はできません。(支払った医療費の金額を入力せず、補填された保険金や高額療養費の金額のみを入力してもエラーメッセージが出現し先へ進むことができなくなります。)したがって、補填された保険金や高額療養費の対象となる支払った医療費を把握し、その医療期間への支払いからのみ補填された保険金等や高額療養費を記載しなければなりません。
住宅借入金控除入力の注意点
住宅借入金控除は、住宅を借入金により取得した際にその借入金の利息部分について税額控除をする目的で創設されたものです。平成29年に取得した場合は年末借入残高の1%相当額が控除できることとなっています。この控除額は実際支払った利息よりも多いことがあるかもしれません。
ところで、「確定申告書等作成コーナー」で注意しなければならないのは取得した家屋等が共有名義の場合です。住宅借入金控除の明細書を作成するために入力する場合、実際の取得価額と当初の借入金残高との差額について、共有者との負担割合の入力を求められます。
特に注意する点は、取得価額よりも当初の借入金の方が多い場合で、その差額をマイナス表記で入力しなければ、負担割合が100%にならず次に進めませんのでご注意ください。
=編集後記=
「確定申告書等作成コーナー」で一番注意する点は、ブラウザの「戻る」ボタンや「×」ボタンをクリックしてしまうとデータが全部消えてしまうところです。
こまめに保存をしてください。