特定口座の年間取引報告書の内容を申告すると国民健康保険税が高くなる?

所得に関するもの

特定口座に係る確定申告不要制度

証券会社等に特定口座を開設した場合に、その特定口座内における上場株式等の譲渡による譲渡所得等の金額については、特定口座外で譲渡した他の株式等の譲渡による所得と区分して計算します。

この場合、特定口座内で生じた譲渡益等に対して源泉徴収することを選択した場合には、その特定口座における上場株式等の譲渡による所得は原則として、確定申告は不要です。

 

医療費控除や寄付金控除を受けるために確定申告書を提出する場合であっても、特定口座における上場株式等の譲渡による所得については、確定申告書に記載しないことができます。
(他の確定申告不要制度があるものについては確定申告書を提出する場合は記載が必要です。)

 

これに対し、
一般口座での取引や特定口座内で生じた譲渡益等に対し源泉徴収をしない選択をした場合は、確定申告をする必要があります。

 

国民健康保険税の計算方法

国民健康保険税は各市町村で割合が異なることがありますので、横浜市の例を引用します。

横浜市のホームページには国民健康保険税の計算方法を公開しており、それによると

  保険料は「被保険者均等割額」と「所得割額」の合計額となります。
  「被保険者均等割額」は被保険者の人数に応じて、保険料率を合計します。
  「所得割額」は被保険者ごとの基準総所得金額に保険料率を乗じて計算します。
  保険料率は、保険料率の総額(横浜市全体の保険料)をもとに、横浜市の被保険者全員の
  人数及び所得金額により決まります。
  保険料の総額は、毎年度の医療費の見込み、及び後期高齢者支援金・介護納付金等の納付
  に必要となる額から、国や県の補助金・市費の繰入分・被保険者の自己負担額(原則3
  割)などを除いたものです。

となっています。

 

ここでの基準総所得金額とは、保険料の計算のもとになる所得金額のことで、総所得金額等から市民税の基礎控除(33万円)を控除した金額です。

 

つまり、確定申告での「所得から差し引かれる金額」のうち、基礎控除しか差し引かれないということです。

 

総所得金額とは、次の1から16の合計です。

1.利子所得
2.配当所得
3.不動産所得
4.事業所得(営業所得など)
5.給与所得
6.総合課税分の短期譲渡所得
7.総合課税分の長期譲渡所得(注1)
8.一時所得(注1)
9.雑所得(公的年金所得など)
10.山林所得
11.分離課税分の土地建物等に係る短期譲渡所得(注2)
12.分離課税分の土地建物等に係る長期譲渡所得(注2)
13.(申告分離課税を選択した)上場株式等に係る配当所得
14.一般株式等に係る譲渡所得等
15.上場株式等に係る譲渡所得等
16.先物取引に係る雑所得等

(注1)総合課税分の長期譲渡所得及び一時所得については、1/2の金額とします。
(注2)特別控除適用後の金額とします。

 

特定口座の年間取引報告書の内容を申告すると国保は高くなるのか

結論から申し上げますと、高くなることがあります。

上記15に上場株式等に係る譲渡所得等とあり、これにより特定口座の源泉ありの上場株式等に係る譲渡所得等を申告した場合は、総所得金額に含まれることになるため、その分国民健康保険税が高くなることになります。

譲渡損がある場合や申告しない場合は、総所得金額に含まれることはありません。

 

その他の所得は、所得がある場合は申告しなければならないものであるため、申告するしないでの差はありません。

 

当年の特定口座内の上場株式の譲渡益と過去から繰り越された譲渡損失とを損益通算するために申告することにより所得税の還付を受けることができても、それ以上に国民健康保険税が高くなることがありますので、申告するかしないかは慎重にご検討ください。

(社会保険に加入されている方はご放念ください。)

 

 

 

 

=編集後記=

国民健康保険税は横浜市のホームページで試算ができます。

横浜市民以外の方でも参考値として試算してみては如何でしょうか。