補聴器を購入した場合の医療費控除
国税庁ホームページに「補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)」が掲載されました。
補聴器はもとより医師による診療や治療に直接必要なものであればその購入費用は医療費控除の対象となるとされています。
今回は、厚生労働省からの照会で、一般社団法人耳鼻咽喉科学会が定めた「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」において、医師等による診療や治療と購入する補聴器の関係を記載する項目が設けられました関係で、その適用の可否を国税庁に見解を求めているものです。
結論から言えば、医療費控除の対象となります。
詳しくは下記をご参照いただければと思いますが、この「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」には医師が購入の目的を記入する欄があり、そこに治療と記載があれば医療費控除の対象となります。
補聴器適合に関する診療情報提供書
こちらが「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」です。
これは一般社団法人耳鼻咽喉科学会がが認定した補聴器相談医が患者の耳科に関する医学情報や聴覚に関する情報等を記載し、補聴器の新規適合や更新等のために患者に交付するものです。
つまり、医師が患者にこの「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」交付をし、患者はこちらを補聴器の販売店等に持参し、販売店等は患者に最適な補聴器を提供する仕組みです。
この提供書の「5.難聴・補聴器に関する情報」に、「・補聴器を必要とする主な場面(□医師等による診療や治療を受けるために直接費用)」という欄があり、こちらに治療目的かどうかを医師が直接記入する形になっています。
眼鏡・コンタクトレンズは医療費控除できる?
補聴器については、治療を目的としているものは医療費控除の対象なるのは前述のとおりですが、では眼鏡はどうでしょう。
眼鏡についても同様で、医師の治療に直接必要なものであれば医療費控除の対象となります。
この「治療に直接必要なもの」とは
・子供の視力の発育を促すために医師が指示などしたもの
・白内障の患者が術後の創口の保護と創口が治癒するまでの視機能回復のため一定期間装着するものなどです。
また、厚生労働省では社団法人日本眼科医会に対し、
①傷病が次のものであること
弱視、斜視、白内障、緑内障、難治性疾患(調節異常、不等像性眼精疲労、変性近視、網膜色素変性症、視神経炎、網脈絡膜炎、角膜炎、角膜外傷、虹彩炎)
②処方箋に①の傷病名と症状を記載すること
の指導を行っています。
したがって、単なる近視や遠視の矯正のための眼鏡については残念ながら医療費控除の対象となりません。
=編集後記=
確定申告時期にも補聴器と眼鏡については医療費控除の対象となるかどうかの質問がありました。
いずれも医師が治療に直接必要かどうかによります。