相続税がかからない財産とは

相続・贈与に関するもの

相続税の非課税財産

相続税法では、相続又は遺贈により取得したみなし相続財産を含む財産であっても公益性や社会政策的見地あるいは国民感情の面から、相続税がかからないものがあります。

これを相続税の非課税財産といいます。(相続税法12)

非課税財産の種類

相続税がかからない財産のうち、主なものは以下のとおりです。

1 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物
ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります。

2 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人などが相続や遺贈によって取得した財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

3 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

4 相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

5 相続や遺贈によって取得したとみなされる退職手当金等のうち500万円に法定相続人の数を掛けた金額までの部分

6 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの
 なお、相続人のいずれかが引き続きその幼稚園を経営することが条件となります。

7 相続や遺贈によって取得した財産で相続税の申告期限までに国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの、あるいは、相続や遺贈によって取得した金銭で、相続税の申告期限までに特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

生命保険金の非課税規定

被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続または遺贈により取得したとみなされ、相続税の課税対象となります。

この死亡保険金の受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません)である場合、全ての相続人が受け取った保険金の合計額のうち、次の算式によって計算した非課税限度額までの金額は相続税がかかりません。

  500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

この場合、相続人以外の人が取得した死亡保険金には非課税の規定はなく、全額相続税がかかります。

法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいい、法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。

死亡退職金を受け取った場合についても、生命保険金等の非課税規定と同じような非課税規定があり、一定の金額までは相続税がかかりません。