相続財産を相続した場合〜相続税はどのように納める?

相続・贈与に関するもの

相続税の納付期限

相続税は、原則として、法定納期限までに金銭で納付することになっています。
法定納期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日です。
 例)相続開始の日:平成30年6月13日
    法定納期限:平成31年4月13日

修正申告等に係る相続税は、次に掲げる日までに納付します。

  1. 修正申告分 :修正申告書の提出の日
  2. 期限後申告分:期限後申告書の提出の日
  3. 更正・決定分:更正・決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1か月を経過する日

納付手続き

金融機関又は所轄税務署の窓口で、現金に納付書を添えて納付する方法が一般的ですが、インターネットバンキングを利用した納税クレジットカード納付、コンビニ納付による方法も選択することができます。

国税の様々な納付方法とコンビニ納付用QRコードを利用した納税方法

金銭納付が困難な場合

金銭で納付することが原則ですが、金銭で納付することが困難で、一定の要件を満たしている場合には、相続税を年賦により分割納付する「延納」と、相続財産で納付する「物納」の方法があります。
いずれの方法も相続税の申告期限までに手続をとっていただく必要があります。

「延納」「物納」の詳細については、別の回で記します。

納付が遅れた場合

納付が定められた期限に遅れた場合には、法定納期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日)の翌日から納付の日までの間の延滞税を本税と併せて納付する必要があります。

なお、延滞税の割合は次のとおりです。

納期限の翌日から2月を経過する日まで年「7.3%」と「特例基準割合(平成30年は1.6%)+1%」のいずれか低い割合→2.6%
納期限の翌日から2月を経過した日以後年「14.6%」と「特例基準割合(平成30年は1.6%)+7.3%」のいずれか低い割合→8.9%

 

連帯納付義務とは

相続税の納付については各相続人が相続等により受けた利益の価額を限度として、お互いに連帯して納付しなければならない義務があります。

相続人又は受遺者が2人以上ある場合の連帯納付の義務

相続人又は受遺者が2人以上である場合には、これらの人は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、その相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、相互に連帯納付義務があります。

相続人が亡くなった場合の相続税の連帯納付の義務

相続税の申告をすべき人が、その申告書を提出する前に死亡した場合で、その人の相続人又は受遺者が2人以上あるときは、これらの人は、被相続人の納付すべき相続税について、相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、相互に連帯納付義務があります。

遺贈や寄附行為により財産を取得した人の連帯納付の義務

相続税の課税価格計算の基礎となった財産について遺贈や寄附行為による移転があった場合には、その遺贈により財産の取得をした人又は寄附行為により設立された法人は、その遺贈や寄附行為をした人が納付すべき相続税の額のうち、相続を受けた財産の価額に対応する部分の金額について、その受けた利益の価額に相当する金額を限度として、連帯納付義務があります。

連帯納付義務を負わない場合

平成24年4月1日以後に申告期限が到来する次の場合の相続税については、連帯納付義務を負わないこととなっています。

  1. 申告期限から5年を経過した場合
  2. 延納の許可を受けた場合
  3. 納税猶予(農地等、山林、非上場株式等及び非上場株式等の贈与者が死亡した場合の各相続税の納税猶予)の適用を受けた場合