贈与税とは
贈与税は、個人からの贈与により財産を取得した者に対して、その取得財産の価額を基に課される税金です。
贈与税は相続税の補完税と位置付けられています。
それは、被相続人が亡くなった後に、被相続人の財産を取得した場合には相続税が課されますが、被相続人の生前に被相続人の財産をもらったときに何も税が課されない場合、生前に贈与をしたかしないかで相続税の負担が異なることとなり、不公平が生じるためです。
そこで、生前の贈与による取得財産には贈与税を課税することとし、贈与税は相続税に比べて、課税最低限は低く、税率の累進度合は高く規定されています。
この贈与税の性格を踏まえ、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者については、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算する制度(相続税法19)が設けられています。
また、平成15年度の税制改正により、相続税と贈与税を一体化する仕組みを持つ相続時精算課税制度(相続税法21の9~18)が設けられています。
(国税庁ホームページより)
贈与税の課税方式
贈与税の課税方式は、贈与をした人(贈与者)に課税する方式と贈与を受けた人(受贈者)に課税する方式とがあるわけですが、日本の現在の相続税の課税方式は遺産取得課税方式を採用していることから、贈与税の課税方式は受贈者課税方式が採用されています。
つまり、贈与税の申告書を提出し、納税するのは財産をもらった方です。
個人が財産を無償で取得した場合
個人が財産を無償で取得した場合は、相続、遺贈又は個人からの贈与による取得財産には相続税又は贈与税が課税されるため、重ねて所得税は課税されないこととされています。
また、贈与税は相続税の補完税であることから、相続や遺贈という概念のない法人からの贈与には贈与税を課税する必要がなく、一時所得として所得税のみが課税されます。
法人が財産を無償で取得した場合
一般の営利法人が、個人や法人から財産を無償で取得した場合には、法人税が課税されます(法人税法22②)が、公共法人や公益法人等に係る非収益事業の場合には、法人税は課税されないこととされています。
ただし、
①代表者又は管理者の定めのある人格のない社団又は財団が個人から財産の遺贈又は贈与を受けた場合
②持分の定めのない法人が個人からの財産の遺贈又は贈与を受けた場合で、かつ、その個人の親族などの相続税や贈与税の負担が不当に減少する結果と認められるとき
は、その人格のない社団又は財団や持分の定めのない法人を個人とみなして相続税や贈与税が課税されます。(相続税法66①、④)