贈与税の申告書の内容を訂正する必要がある場合

相続・贈与に関するもの

贈与税の申告書の内容に誤りがあった場合

贈与税は、納税義務の成立の時点である贈与時の財産の価額を評価して税額を計算し、申告期限までに期限内申告書を提出する制度です。
しかし、贈与税についても、相続税と同様に、申告期限後に新たに生じた事情により、税額計算をし直さなければならないことがあります。

そこで、贈与税の申告においても、申告期限後に生じた事由に基づく申告、期限後申告、修正申告及び更正の請求の特則規定を置き、贈与税額の変更等に関する手続を規定しています。

贈与税の期限後申告書が提出できる場合

贈与税の申告期限(贈与があった年の翌年3月15日まで)後において、例えば、遺産が未分割である場合において、贈与財産につき相続税の課税価格に加算し、贈与税の申告はしなかったところ、その後の遺産分割において財産を取得しなかった等の事由のため、新たに贈与税の申告書の提出を提出しなければならない人は、期限後申告書を提出することができます。

少なく申告した場合(修正申告)

上記「贈与税の期限後申告書が提出できる場合」と同様の事由が生じたことにより、既に確定した贈与税額に不足を生じた場合には、修正申告書を提出することができます。

多く申告した場合(更正の請求)

贈与税についても、贈与税の課税価格の計算の基礎に算入した財産のうち、相続開始の年に被相続人から贈与により取得した財産で、相続税の課税価格に加算されるものがあったことにより納付すべき贈与税額が過大となった場合には、その事由が生じたことを知った日の翌日から4か月以内に更正の請求をすることができます

贈与税の申告書に係る更正の請求については、法定申告期限から「6年」以内にすることができます。

税務署長が課税処分する場合

申告納税制度は、納税者が正しい計算を行い作成した申告書に基づき納税することが原則ですが、申告義務が適正に履行されない場合には、税務署長が税額を確定する権限を行使しなければなりません。

税務署長が行う権限の行使のうち、
申告がなされている場合において、その納税申告書に記載された課税標準や税額等の計算が法律の規定に従っていなかったり、税務署が調査したところと異なっているときに、申告内容を是正する処分を更正といいます。
申告がなされていない場合において、税務署が調査によって課税標準、税額等を決定する処分を決定といいます。 

贈与税の特則

税務署長は、贈与税について、次に掲げる期限又は日から6年を経過する日まで、更正若しくは決定又は加算税の賦課決定をすることができることとされています。
⑴ 更正又は決定については、その更正又は決定に係る申告書の提出期限
⑵ 過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税の賦課決定については、その納税義務の成立の日(法定申告期限の経過の時)

なお、これにより更正することができないこととなる日前6月以内にされた更正の請求に係る更正やそれに伴う加算税の賦課決定は、当該更正の請求があった日から6月を経過する日まで、することができます。

不正行為があった場合

税務署長は、贈与税について、偽りその他不正の行為によりその全部又は一部の税額を免れた場合等における更正若しくは決定又は加算税の賦課決定は、 次に掲げる期限又は日から7年を経過する日まですることができることとされています。
⑴ 更正又は決定については、 その更正又は決定に係る申告書の提出期限
⑵ 過少申告加算税、 無申告加算税又は重加算税の賦課決定については、 その納税義務の成立の日(法定申告期限の経過の時)