贈与税の課税価格
贈与税の課税価格は、その年1月1日から12月31日までの間に贈与により取得した財産及び贈与により取得したものとみなされる財産の価額の合計額となります。
この場合、贈与により取得した財産のうちに非課税財産があるときは、課税価格計算の基礎に算入されません。
課税価格の計算は、納税義務者の区分に応じて、以下のとおりです。(相法21の2)
- 居住無制限納税義務者及び非居住無制限納税義務者の課税価格(相法21の2①)
・・・その年中において、贈与により取得した全世界の財産の価額の合計額 - 制限納税義務者の課税価格(相法21の2②)
・・・その年中に贈与により取得した財産で、国内にあるものの価額の合計額
贈与税の税額計算(暦年課税)
1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額110 万円を控除した残額について、贈与者と受贈者との続柄及び受贈者の年齢に応じて、以下の「贈与税の速算表」により「一般税率」又は「特例税率」のいずれかを適用して贈与税額を計算します。
特例贈与財産用(特例税率)とは
直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)※への贈与税の計算に使用します。
※「その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)」とは、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属のことをいいます。
特例贈与財産のみ贈与を受けた場合の税額計算
STEP1:1年間に贈与を受けた特例贈与財産の価額の合計額(課税価格)を計算します。
STEP2:課税価格から基礎控除額110 万円を控除した残額について下記の速算表(特例贈与財産用)により贈与税額を計算します。
例)父より600万円の贈与を受けたとき
(600万円-110万円)×20%-30万円=68万円
一般贈与財産のみ贈与を受けた場合の税額計算
STEP1:1年間に贈与を受けた特例贈与財産の価額の合計額(課税価格)を計算します。
STEP2:課税価格から基礎控除額110 万円を控除した残額について下記の速算表(一般贈与財産用)により贈与税額を計算します。
例)叔父より600万円の贈与を受けた時
(600万円-110万円)×30%-65万円=82万円
一般贈与財産と特例贈与財産の両方の贈与を受けた場合の税額計算
STEP1:1年間に贈与を受けた一般贈与財産の価額※と特例贈与財産の価額の合計額(合計贈与価額)を計算します。
STEP2:合計贈与価額から基礎控除額110 万円を控除した残額について速算表(一般贈与財産用)により計算した金額に、一般贈与財産の価額が合計贈与価額のうちに占める割合を乗じて、一般贈与財産に対応する贈与税額を計算します。
STEP3:STEP2と同様に、合計贈与価額から基礎控除額110 万円を控除した残額について速算表(特例贈与財産用)により計算した金額に、特例贈与財産の価額が合計贈与価額のうちに占める割合を乗じて、特例贈与財産に対応する贈与税額を計算します。
STEP4:STEP2とSTEP3で算出した税額を合計し、贈与税額を計算します。
例)叔父から100万円と父から500万円の合計600万円贈与を受けたとき
(一般){(100万円+500万円)-110万円}×30%-65万円=82万円
82万円×100万円/600万円=13.6666万円・・・①
(特例){(100万円+500万円)-110万円}×20%-30万円=68万円
68万円×500万円/600万円=56.6666万円・・・②
①+②=70.33万円