消費税がかかるものとかからないもの

個人事業者に関するもの

消費税の取引

消費税は課税されるものと課税されないものに分かれ、課税されるもののうち、非課税とされるものがあります。

 

課税されるものとは
 ①国内において行う取引(国内取引)であること
 ②事業者が事業として行う取引であること
 ③対価を得て行う取引であること
 ④資産の譲渡、資産の貸付け又は役務の提供であること
の4つの要件を満たしたものです。

従って、事業者でない人が車を売却するなどの行為には消費税はかかりません。

 

この課税されるもののうち、非課税とされる取引は「課税することになじまないもの」と「社会政策的配慮に基づくもの」として限定列挙されています。

〇課税することになじまないもの
 ・ 土地の譲渡及び貸付け
 ・ 有価証券及び支払手段の譲渡等
 ・ 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
 ・ 郵便切手類、印紙、証紙の譲渡及び物品切手等の譲渡
 ・ 国等が行う一定の事務に係る役務の提供及び外国為替業務に係る役務の提供 等

〇社会政策的配慮に基づくもの
 ・社会保険医療の給付等
 ・介護保険サービスの提供及び社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等
 ・助産に係る資産の譲渡等
 ・火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
 ・身体障害者用物品の譲渡や貸付けなど
 ・学校の授業料等
 ・教科用図書の譲渡
 ・住宅の貸付け

 

消費税の処理で難しいのはこの非課税取引です。
支払うときに消費税がかからないのは不課税なのか非課税なのかはあまり重要ではありませんが、売上げたときに消費税がかからないのか非課税なのかの違いは非常に重要です。

 

課税売上げ

消費税及び地方消費税は、課税売上げに対して課税されます。

例えば、商品・製品の販売代金や請負工事代金、サービス料等のほか、機械の賃貸収入や機機・建物等の業務用資産の売却代金なども課税売上げに含まれます。

 

また、次のような輸出取引等は消費税が免除されます。
① 国内からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け
② 非居住者に対する鉱業権、著作権、営業権等の無体財産権の譲渡又は貸付け
③ 非居住者に対する役務の提供(国内に所在する資産に係る運送又は保管、国内における飲
食又は宿泊など一定のものを除く)
④ 輸出物品販売場において行った免税対象物品の譲渡

免除されるとは税率が0%という意味です。
課税取引ではあるが消費税はなしになります。

 

課税仕入れ

事業者が事業として、他の者から資産を譲り受け、もしくは借り受け、又は役務の提供を受けることをいいます。

例えば、商品又は製品等の棚卸資産の仕入れだけではなく、事業に使用する建物、機械、消耗品の購入、修繕費の支出、商品運搬用の車両の燃料代なども課税仕入れに含まれます。
ただし、利子割引料及び保険料等の支払、また、土地の購入や賃借等は非課税取引ですので、課税仕入れとはなりません。課税対象とならない給与、賃金の支払等も課税仕入れに含まれません。

なお、消費税の免税事業者や消費者から棚卸資産等を仕入れたり、サービスの提供を受けた場合でも、課税仕入れとなります。
減価償却資産を購入した場合は、購入代金の全額がその年分の課税仕入れとなります(所得税ではその年分の減価償却費だけが必要経費となります)。

また、給料・賃金、専従者給与の支払などは課税仕入れとはなりませんが、従業員の通勤手当
(通勤に通常必要な金額)は、課税仕入れとなります。

 

税務署に納付する消費税を計算する際、課税売上げから課税仕入れを控除しますが、控除する要件として、その事実を記録した帳簿及び請求書等の両方の保存が必要となります。

帳簿及び請求書等の両方の保存がない場合、課税仕入れ等に係る消費税の控除は認められません。