消費税納税額の計算の流れ

個人事業者に関するもの

消費税率

平成29年の消費税率は8%。これは誰しもの常識です。
(平成31年10月からは10%に引き上げられる予定です。)

しかし、この8%は国税分6.3%地方消費税分1.7%の合計の税率です。
消費税申告書を作成する場合は、この6.3%で計算してから地方消費税分を算出します。

 

納付税額の計算方法(原則)

消費税の納税額は大まかには以下の方法により計算します。

(1)国税6.3%分の計算

 消費税額 = 課税売上高 × 6.3%  -  課税仕入高(税込み) × 6.3/108 
        (課税売上にかかる消費税額)     (課税仕入にかかる消費税額)

 

(2)地方消費税分(1.7%)の計算

 地方消費税額 = (1)の消費税額(6.3%) × 17/63

 

(3)納付税額

 納付税額 = (1)の消費税額 + (2)の地方消費税額

 

(1)で国税分6.3%の消費税額を計算する際は、課税売上高は消費税を抜いた税抜金額、課税仕入高は消費税をプラスした税込金額を用いることになりますのでご注意下さい。

 

また、小規模事業者については(1)の課税仕入に係る消費税額を計算する際、売上だけで課税仕入にかかる消費税額を計算する簡易課税という特例方法も選択することができます。
(簡易課税による課税仕入にかかる消費税額の計算方法については後日説明します。)

 

具体例

個人事業者Aの消費税がかかる売上が3,240万円(税込み)、
消費税がかかる課税仕入高が2,160万円(税込み)とし、課税仕入高については全額控除できるものと仮定します。

(1)国税6.3%分の計算

  ①課税売上にかかる消費税の計算

    3,240万円 × 100/108 = 3,000万円
    3,000万円 × 6.3% = 189万円

 

  ②課税仕入にかかる消費税の計算

    2,160万円 × 6.3/108 = 126万円

 

  ③ 国税6.3%分 = ① - ② = 63万円

 

(2)地方消費税分(1.7)の計算

   63万円 × 17/63 = 17万円

 

(3)納付税額

   (1)+(2)= 80万円

 

消費税の納付額は以上の方法で計算します。ポイントは、課税売上は一旦税抜きの金額にしてから消費税率をかけるのですが、課税仕入は税込み金額のままで計算する点です。

実際の消費税申告書を作成する場合はもっと複雑な計算をすることになりますが、それについては後日説明します。

 

 

 

編集後記

消費税は預かった消費税から支払った消費税を引いた残りを税務署に納付する点は大原則ですが、実際はもっと細かい点を計算して申告書を作成し、消費税を納めます。

複雑な消費税については専門家に任せた方が無難です。