法人課税におけるその他の租税特別措置(平成30年度税制改正)

その他の法人に関する税金

働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置の創設

昨年6月に公表された「子育て安心プラン」に基づき、事業所内保育施設(事業所内保育事業・企業主導型保育事業)の整備等を通じた保育の受け皿の拡大及び保育と連携した「働き方改革」を進める必要があり、厚生労働省からの要望により新たに創設された制度です。

 

具体的内容としては、
個人又は法人が、平成30年4月1日から平成32年3月31日までの間に、企業主導型保育施設を新設または増設をして、その保育事業の用に供した場合には、3年間12%(建物等及び構築物については、15%)の割増償却ができることとされました。

この場合における「「企業主導型保育施設」とは、その事業所内保育施設を構成する建物等及びその幼児遊戯用構築物、遊戯具、家具および防犯設備をいいます。

社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し等

法人税率の特例が受けられる社会医療法人および特定医療法人の認定要件、承認要件について、以下の見直しが行われました。

社会医療法人・特定医療法人の認定(承認)要件の見直し

認定要件・承認要件のうち、全収入金額の100分の80を超えなければならない「社会保険診療等」の事業収入の内容に以下のものが加えられました。

  1. 社会医療法人
     • 介護保険法の保険給付
     • 予防接種
  2. 特定医療法人

   • 介護保険法の保険給付
 • 予防接種
   • 50万円以下の助産

特定医療法人の承認要件の見直し

特定医療法人の承認要件に以下の項目が追加されました。

青色申告法人の帳簿書類の保存に準じて、帳簿書類を備え付けてその帳簿書類にその取引を記録し、かつ、その帳簿書類を保存すること。

• その支出した金銭でその費途が明らかなでないものがあることその他の不適正な経理が行われていないこと。

その他の措置

受動喫煙防止対策に伴う税制上の措置

厚生労働省が平成29年3月に公表した「受動喫煙防止対策の強化について(基本的な考え方の案)」に基づき、飲食店での受動喫煙を防止するため、飲食店において設置する喫煙専用室に係る器具備品及び建物附属設備について、特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の対象となることが明確化されます。

経営改善設備とは、認定経営革新等支援機関等(税理士事務所等)による、経営改善に関する指導に伴って取得する下記の設備・器具・備品(1台又は1基の取得価額が1台30万円以上)、建物附属設備(1台の取得価額が60万円以上)のものをいいます。

交際費等の損金不算入制度

適用期限が平成32年3月31日まで2年延長されるとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が平成32年3月31日まで2年延長されました。

中小企業者の欠損金の繰戻し制度

中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置について、その適用期限が平成32年3月31日まで2年延長されるとともに、設備廃棄等欠損金額の特例の適用期限も平成32年3月31日まで2年延長されました。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)を認める、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限が平成32年3月31日まで2年延長されました。

 

 

=編集後記=

その他諸々ありますが、適用法人が限られるものが多いため省略させていただきます。
悪しからず。