所得税のその他諸々の改正(平成30年度税制改正)

所得に関するもの

上場株式等の配当等に係る源泉所得税の見直し

上場株式等の配当等については、外国で所得税が差し引かれた後、日本の源泉所得税が差し引かれ、外国所得税は確定申告で外国税額控除として二重課税を排除する仕組みが取られています。

今回の改正では、日本の源泉所得税を差し引く際、外国所得税の分があれば日本の所得税からそれを控除することとされました。

これにより、控除された外国所得税等の額に相当する金額は、その上場株式等の配当等の交付を受ける者のその年分の所得税の額から控除できることとなります。

この措置は、上場株式等の配当等だけでなく、信託財産に係る利子等でも同じような措置が取られています。

この改正は平成32年1月1日(クドイですが、元号は変わっています。)以降に支払われる収益の分配から適用です。

NISAの開始手続きその他の改正

NISAを開始するときは、口座開設届に非課税適用確認書の添付が必要とされていました。

今回の改正では、非課税適用確認書の添付を要しない非課税口座簡易開設届出書の提出ができることとなります。

これを提出する証券会社等の営業所長は紙による提出ではなくe-Taxなどの方法により届出書を提出しなければなりません。

また、NISAが期間満了により終了する場合、NISAを開設した証券会社等に特定口座がある場合は、原則NISA内の上場株式等はその特定口座に移管されることとなります。

他の口座に移管する場合は、その旨を記載した書類を提出することとされました。

この改正は平成31年1月1日から適用となります。

その他の改正項目

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除等の適用期限が平成31年12月31日まで2年延長されました。

特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の適用期限が平成31年12月31日まで2年延長されました。

特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例について、買換資産が建築後使用されたことのある家屋で耐火建築物以外のもの(以下「非耐火既存住宅」という。)である場合の要件に、その取得の日以前25 年以内に建築されたものであること又は地震に対する安全性に係る規定若しくはこれに準ずる基準に適合することのいずれかを満たすこと(以下「経過年数等要件」という。)を加えた上、その適用期限を2年延長されました。

この改正は平成30 年1月1日以後に譲渡資産の譲渡をし、同年4月1日以後に買換資産を取得する場合について適用されます。