配偶者控除が受けられないと思っていませんか?(平成29年度確定申告)

所得に関するもの

配偶者控除とは?

配偶者に収入がある場合でも、その合計所得金額が38万円以下の場合であれば、本人の申告において配偶者控除を受けることができます。

この場合の合計所得金額とは、純損失、雑損失などの繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得等(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。

さらに本人の合計所得金額が1,000万円以下で、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円を超え76万円未満である場合には、その合計所得金額に応じた控除額の控除が受けられる配偶者特別控除という制度もあります。

配偶者が給与だけの収入の場合

配偶者がパート等による給与だけの収入の場合は、年間103万円以下であれば、合計所得金額が38万円以下となり、本人の申告において配偶者控除を受けることができます。

社会保険において、扶養親族となる基準は年間の収入見込みが130万円を超えるかどうかですが、税務上はあくまでも給与収入であれば103万円を超えるかどうかであり、制度としては全くの別物ですので混同しないようにご注意ください。

配偶者が株式等の売買や配当を受けていた場合

配偶者が株式等を所有し、その売買をしたり、配当金を受け取ったりしている場合、その金額が多額であったとしても配偶者控除を受けることができる場合があります。

それは配偶者がその株式等を源泉徴収ありの特定口座により管理しているなどの場合の確定申告不要制度の対象となるもので、確定申告をしない選択をした場合などが該当します。

つまり、源泉徴収ありの特定口座を開設しその口座内での株式の売買や配当金を収受した場合は、その特定口座内で税金の精算がされるため、確定申告をしない選択をしても良いこととされており、この場合、その株式の売買や配当金の収受によって得た所得は合計所得金額に含めません。

同じように、特定公社債等の利子や上場株式等の配当、少額配当など確定申告不要制度の対象となるものについても、確定申告をしないことを選択した場合には、その利子や配当などの所得は合計所得金額に含まれません。

合計所得金額に含まれないと、住民税や国民健康保険税の計算をする際も同じように含まれませんから、そちらの節税もできます。

特定口座をうっかり申告してしまうと、配偶者控除が受けられなったり、住民税や国民健康保険税などが上がることもありますから申告するかしないかは慎重にご検討ください。

 

=編集後記=

平成29年度税制改正において配偶者控除の改正が行われ、平成30年度からその改正が施行されていますので、ご参考まで