確定申告をしていなくても、住民税の申告をした方がいい場合とは?

所得に関するもの

確定申告不要制度

確定申告の時期も真っ盛り。期限は3月15日ですので忘れずに。
ただ、還付の場合は5年間申告できますので、今申告しなくても大丈夫ですが、後々忘れることがないようご注意ください。

さて、確定申告をしなくてもよい場合があると以前こちら(確定申告が必要な方)で紹介しました。

確定申告が必要な方

もう一度確認すると

  1. 年金受給者の確定申告不要制度
  2. 株式を特定口座で管理している方の確定申告不要制度

1つめの年金受給者の確定申告不要制度については、年金受給者の場合、公的年金の収入金額が400万円以下で、他の所得(収入-経費)が20万円以下である場合は確定申告をしないという選択ができます。

2つめの株式を特定口座で管理している方の確定申告不要制度については、証券会社等の特定口座内で生じた譲渡益等に対して源泉徴収することを選択した場合には、その特定口座における上場株式等の譲渡による所得は原則として、確定申告は不要とされています。

これらの確定申告不要制度を適用して所得税の確定申告はしなくてもかまいませんが、その場合住民税の申告はされていないことになり、市区町村の役所に行って住民税の申告をしないと住民税が高く請求されることがあります。

源泉所得税がゼロになった場合

住宅借入金控除などにより、源泉所得税が全額還付になり納付額が0円となった場合、住民税も納付額が0になるかと言えばそうではありません。

住宅借入金控除などによりどうせ税金は0だからと思って医療費控除やふるさと納税などの寄付金控除の適用ができるのにしないでいると、住民税が高く請求されることがあります。

というのは、確定申告書には、住民税用の記入箇所があり税務署から市区町村へその申告結果が自動的に送られることになっています。
(以前は住民税用の用紙がついていました。)

ですから、確定申告をすると住民税の申告も同時に行っていることになるのです。

つまり、確定申告をしない場合は住民税の申告がされていない。
住民税の申告がされていなければ、医療費控除や寄付金控除などの所得控除の適用が受けられない。
結果、住民税が高く請求されることになります。

したがって、確定申告をしない選択をしたとしても、住民税の申告をして所得控除の適用を受けた方が住民税が高くならないで済むことになります。

住民税の申告をした方がいい場合

住民税の申告をした方がよい場合とは、

  1. 年金の確定申告不要制度を選択している場合
  2. 合計所得金額が38万円以上であるにもかかわらず、住宅借入金控除の適用により、医療費控除や寄付金控除などを適用しなくても所得税が0円となる場合

です。

株式を特定口座で管理している方の確定申告不要制度を適用し、所得税について確定申告をしない選択をした場合でも、住民税については源泉徴収されて既に納付済みですので、この場合の住民税の申告は特に必要ありません。

 

=編集後記=

年金受給者の方は是非、住民税の申告を。