各人の相続税額の算出方法

相続・贈与に関するもの

各人の相続税額の算出方法

各人の相続税額は、前回記した「相続税額の総額の計算方法」で計算した相続税の総額に、課税価格の合計額に占める各人の課税価格の割合であん分して計算して求めた金額となります。

  各相続人等の税額=相続税の総額 × 各人の課税価格/課税価格の合計額 

 

按分割合

上記の計算式における
各人の課税価格/課税価格の合計額
が課税価格の合計額の中に占める各人が取得した財産の割合を示す按分割合となります。

按分割合に小数点2位未満の端数が生じた場合には、各相続人等の全員が選択した方法により、その合計値が1になるように端数を調整して各相続人等の相続税額を計算して差し支えないものとされています。

 

計算例

(相続税額の総額の計算方法も含めて通しで確認します)

被相続人の相続人は配偶者、子A、子Bです。


(1)各相続人等の課税価格の計算 
各相続人が取得した被相続人の遺産の課税価格は下記のとおりとします。
  配偶者:1億2千万円
  子A  :8千万円
  子B  :5千万円

(2)課税遺産の総額の計算
   課税遺産の総額:(1億2千万円+8千万円+5千万円)-(3,000万円+600万円×3人)=2億2百万円

(3)相続税の総額の計算
  ①法定相続分に按分
    配偶者:2億2百万円×1/2=1億1百万円
    子A  :2億2百万円×1/4=5,050万円
    子B  :2億2百万円×1/4=5,050万円
  ②相続税率を掛ける
    配偶者:1億1百万円×40%-1,700万円=2,340万円
    子A  :5,050万円×30%-700万円=815万円
    子B  :5,050万円×30%-700万円=815万円
  ③相続税の総額
    2,340万円+815万円+815万円=3,970万円

(4)各人の相続税額
  ①各人の按分割合
    配偶者:1億2千万円/2億5千万円=0.48
    子A  :8千万円/2億5千万円=0.32
    子B  :5千万円/2億5千万円=0.20
  ②各人の相続税額
    配偶者:3,970万円×0.48=19,056,000円
    子A  :3,970万円×0.32=12,704,000円
    子B  :3,970万円×0.20=  7,940,000円

 

この各人の相続税額を算出したら、その税額からそれぞれ各人ごとに相続税額の加算や税額控除を計算していきます。