民法改正案による税制の影響

相続・贈与に関するもの

民法改正案

3月13日に民法改正法案が国会に提出されました。

相続における配偶者の居住権の保護など相続関係の改正が盛り込まれていますが、大きな柱は成人年齢を20歳から18歳に引き下げることです。

平成30年度税制改正大綱の中で検討事項として民法の改正により成人年齢が18歳に引き下げられた場合には、税制において20歳としている成人の年齢も18歳に引き下げることを検討すると明記されています。

実際、選挙権は18歳からと既に引き下げられていることは周知のことですから、税制上20歳が基準になっているものが18歳に引き下げられる可能性は高いものと思われます。

相続税の未成年者控除

相続税の納付額を計算する上で、現行では相続人が未成年の場合は20歳になるまでの年数を1年未満は切り上げ、1年につき10万円の控除ができることになっています。

これが18歳までの年数と短縮される可能性が高いです。

例えば、相続人が高校生で16歳6か月だったとすると、現行では20歳になるまでの年数を4年とし、30万円の未成年者控除の適用を受けることができますが、改正されたとすると18歳までの年数は2年となり、20万円に半減されることになります。

相続時精算課税制度

現行、相続時精算課税制度は、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の子や孫等に対し、財産を贈与した場合に選択できる制度となっています。

これが18歳以上の子や孫等に改正されること可能性が高いです。

改正されると今までも2年早く適用が可能となります。

特例贈与

相続時精算課税制度を選択しなければ、暦年贈与が適用され1年に110万円ずつの基礎控除を超えた部分の贈与について贈与税が課されます。

現行、父母や祖父母からの贈与について、受贈者が20歳以上の子や孫である場合は、贈与税率が優遇される特例贈与として贈与税を計算することができます。

これが18歳以上の子や孫等に改正される可能性が高いです。

改正されると従来よりも2年早く、適用可能となります。

ジュニアNISA

株式を売却した時の売却益など証券投資に対する課税が非課税になるNISAについては、20歳未満はジュニアNISAと言って年間の投資額が80万円に制限され18歳までは払い出し制限がある制度が適用されます。

これが18歳未満に引き下げられる可能性が高くなります。

改正されると従来よりも2年早く、NISAが適用されます。

 

 

=編集後記=

成人年齢が18歳に引き下げられてもお酒とたばこは20歳からというのは変わりません。

順調に改正法案が成立すれば2022年からの施行になります。