非上場株式等を相続・贈与した場合の相続税・贈与税の納税猶予制度の改正(その3)

相続・贈与に関するもの

昨日は、贈与税の納税猶予制度を受けるための要件を確認しました。

今日は、贈与税の納税猶予制度についてのその他諸々の事項を確認します。

 

 

雇用の平均が「贈与時の雇用の8割」を下回った場合

以前は雇用の8割を維持できなければ、即納税となる形になっていましたが、平成25年度改正において5年平均で8割を維持できれば納税猶予制度を適用できるようになり、今回の平成30年度税制改正では期間限定ではありますが、雇用8割を維持できなくても納税猶予の制度を引き続き適用できることとなりました。

ただし、今回の改正における所謂「特例」を適用せず、今までの制度を適用する場合は、今回の改正項目を選択しなかったということで、雇用8割を5年平均で維持できなければ猶予税額全額と利子税を納付しなければなりません。

 

今回の改正項目である「特例」を選択した場合で雇用の8割を維持できなくても、猶予された納税額は納付しなくてもいいのは前述のとおりですが、8割を維持できなかった理由を記載した報告書を都道府県知事に提出し、確認を受けることとされています。

この報告書には認定経営革新等支援機関の意見もつけなければなりません。

 

 

先代経営者が死亡等した場合

先代経営者等(贈与者)の死亡等があった場合には、「免除
届出書」・「免除申請書」を提出することにより、その死亡
等のあったときにおいて納税が猶予されている贈与税の全部
又は一部についてその納付が免除されます。

 

この場合、当該贈与により「「非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除」の適用を受けた非上場株式等は、相続又は遺贈により取得したものとみなして、贈与の時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算します。

 

つまり、贈与税が免除されても相続税は納税猶予の手続きをしないと納税が猶予されません。
一度、この制度を選択した場合は、贈与税の納税猶予制度→相続税の納税猶予制度→贈与税の納税猶予制度→相続税の納税猶予制度→・・・
というように永遠に納税猶予の制度を選択することになります。

 

 

納税が猶予される場合の贈与税額の計算方法

①贈与を受けたすべての財産につき、通常通り贈与税を計算します。

 

②贈与を受けた財産がこの制度の適用を受ける非上場株式等のみと仮定し贈与税額を計算します。(この金額が猶予される贈与税額となります。)

 

③①-②=納付税額

この納付税額は贈与税の申告期限である翌年3月15日までに納付します。

 

 

猶予されている贈与税が免除される場合

次の場合は、猶予された贈与税の全額または一部が免除されます。((1)、(2)については引き続き相続税の納税猶予制度の適用を受けることにより相続税の納税が猶予されます。)

(1)先代経営者等(贈与者)が死亡した場合(再掲)

(2)後継者(受贈者)が死亡した場合

(3)納税猶予制度の適用を受ける贈与税の申告期限から5年間の期間において、やむを得ない理由により会社の代表権を有しなくなった日以後に次の後継者への納税猶予制度の適用を受ける贈与等を行った場合

(4)納税猶予制度の適用を受ける贈与税の申告期限から5年間の期間の経過後に次の後継者への納税猶予制度の適用を受ける贈与等を行った場合

(5)納税猶予制度の適用を受ける贈与税の申告期限から5年間の期間の経過後において会社について破産手続開始決定などがあった場合

(6) 納税猶予制度の適用を受ける贈与税の申告期限から5年間の期間の経過後に、事業の継続が困難な一定の事由が生じた場合において、会社について、譲渡・解散した場合

 

 

 

 

 

 

 

=編集後記=

この制度は麻薬だと思っています。一度手を付けたら離れることはできません。。。